先日テレビ番組で「シャングリラダイエット」という、オリーブオイルを飲むだけのダイエット方法をやっていましたね。この間、テイスティングで飲んだ私からすると、大匙1~2を飲むのは大変だなぁと思いました。
2004年11月にアメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)が、「一日あたりの総摂取カロリーを増やさず、主に動物脂肪から摂取している飽和脂肪酸のうち、約23g(大さじ2杯)をオリーブオイルに置き換えると、オリーブオイルに含まれるオレイン酸の働きで、冠動脈性心疾患のリスクを低減する可能性があります。」
と、発表され注目されました。
このダイエット法はそれを踏まえての事でしょう。
アメリカ生れのダイエット法なので、日本人には合うかどうかはわかりませんが、大食漢の方には向くかもしれません。
オリーブオイルは元々、地中海ダイエットの主要食品でありますし、主成分のオレイン酸は血中コレステロールを下げ、血液をさらさらにしてくれます。善玉コレステロールを維持して、悪玉コレステロールを下げる働きがあります。
その他、抗酸化物質であるポリフェノール類やビタミンEが含まれています。
健康食品といえるので、オイルというよりも調味料感覚で使っていいと思います。
オリーブオイルの生産量は、一位スペイン、二位イタリア、三位ギリシャです。
ギリシャは殆ど国内で消費されるので、日本に輸入されてくるのは、主にスペイン産とイタリア産です。
イタリアのオリーブの特徴
*生産量は南部のプーリア、カラブリア、シチリア州で7割強である。
*量的には少ないが、全国で伝統を持つオイルが生産されており、DOP認定品も多い。
*古い木も多く、機械農法への対応が遅れている。
*栽培品種は400種を超えるといい、風味のバリエーションが圧倒的に広い。
*品質で高付加価値化を目指す生産者が多い。(量のスペインに対抗する為)
代表的な品種
*オリアローラ・パレーゼ(プーリア州)
オリーブ果実らしいバランスのとれた力強く、素朴な風味で、ビトント近辺では高品質な物が生産されている。
*コラティナ(プーリア州)
香りの強さの割には、味は平坦だが、辛味、苦味が非常に強いために単品では使いにくい。
*カロレア(カラーブリア州)
比較的マイルドで落ち着いた風味。ブレンドで使用すると、味のバランスを取りやすい。
*フラントーイオ(トスカーナ州)
早い時期に収穫され、青々しい新鮮な香りと苦味と辛味の強い風味は、上質な風味のトスカーナオリーブオイルの特徴となっている。
*モライオーロ(トスカーナ州、ウンブリア州)
イタリア中部の物が有名で、果皮の紫色への変化が早く起きる品種。フラントーイオ種を更に強烈にしたような強い風味を持つ。
スペインのオリーブの特徴
*スペインは南部アンダルシア州が大生産地。
*機械収穫を前提とした、集約農業を拡大中。
*生産地が限定されているため、栽培品種も少なく、風味のバラエティが狭い。
*どちらかといえば、「量」を重視した生産。
*生産量一位なので、オリーブオイル市場価格の決定権を握る。
スペインの代表的品種
*ピクアル(アンダルシア州)
油分が高く、スペインで最も生産されている品種。軽い香り立ちが特徴で、ポロフェノール含有量が高く、安定性に優れている。苦味、辛味が強いので、通常は配合使用される。
*オヒブランカ(アンダルシア州)
ピクアルをマイルドにしたような風味で、甘い印象の香り立ちが特徴。
*アルベキーナ(カタルーニャ州)
実が小粒で収穫性が悪い。青々しさのある上質な風味。
オリーブオイルの選び方
*品種、原料の生産国、生産地情報を得て、好みのオイルを選ぶ。
*DOP、IGPは当たりはずれあり。
*オーガニックのよい物は貴重品。
*基本的には製造日の新しい方がよい。
オリーブオイルの保管
*オリーブオイルは光に弱いので、冷暗所にきちんと栓をして保管する。
*オリーブオイルの香りは揮発性で、分解され徐々に失われるので、開栓後は早めに使った方がよいでしょう。
色々なオリーブオイルを試してみて、自分の好みのオイルを探してみるといいと思います。